Amazon PPCキャンペーンの作成と最適化の方法
まず最初にアマゾンのPPC広告において、キャンペーンの作成や設計には「これ」という正解はございません。メーカーや、担当者、各広告の目的によって設定の方法は大きく異なります。
また、広告費用をたくさん投資しても、アマゾンのアルゴリズムが十分商品を認識していない場合は、広告の配信自体がされないケースも多くあります。
そのような場合は、広告の目的やKPIを変える必要があるのですが、今回は、広告は配信される状況にあることを前提とさせていただきます。
当社では、最初の数週間~数か月はオートキャンペーンをお勧めしています。オートキャンペーンをベースとしつつ、動的な入札アップとダウンにします。オートキャンペーンはキーワードリサーチを目的とし、一定の予算内で運用することを目的とし、Daily Budgetと、Bidding Rateでコントロールしながら、最も費用対効果の高いキーワードを探します。
正しく運用すれば、オートキャンペーンでdaily budgetとBidding rateの管理だけで、効率的にアマゾンのPPC広告を運用することは十分可能です。
Amazon PPCキャンペーンの作成
オートキャンペーンの作成は簡単です。キャンペーン(または広告グループ)に名前を付け、予算とCPC入札額を設定するだけです。キャンペーンが開始されるとすぐに、Amazonは広告商品を調査し、入力された検索キーワードで広告が表示されるようになります。検索キーワードは、セラーセントラル画面から.csvファイルでエクスポートし、詳細に分析することが可能です。
また、オートキャンペーンのみの運用ではなく、パフォーマンスの高い検索キーワードや、詳細な分析をした場合は、別途マニュアルキャンペーンに移行もしくは追加をすることもあります。
例えば、ブランド名が入ったキーワードはACoSが低い傾向があり、それ以外はACoSが高い傾向があるために、これらのキャンペーンを分けて、マニュアル管理をしていくケースや、カテゴリーターゲットの配信と、競合他社ターゲットの配信とで、キャンペーンをマニュアル設定するなどがあります。
以下の表は、Amazon PPCキャンペーンを作成するための詳細をまとめたものです。
Amazon PPCキャンペーンの最適化
定期的にキャンペーンを確認し、最適化することは、PPCキャンペーンの成功につながります。まずは、キャンペーンのパフォーマンスを評価するデータ(インプレッション、クリック、コンバージョンなど)を十分に収集してから、調整をしていきましょう。キャンペーンを変更する前に、最低でも2週間は待つことをお勧めします。(場合によっては数か月待ちます)十分なデータを収集できたら、以下の3つの策を定期的に実行してみてください。
1. オートキャンペーンからマニュアルキャンペーンにキーワードを移行する
コンバージョンの高い検索キーワードは、定期的にオートキャンペーンからマニュアルキャンペーンへ移行させ、より詳細な分析やアクションが取れる体制を作る。
2. ネガティブキーワードを使う(採算の取れない検索キーワードを削除)
不必要なPPCコストを削減するために、オートキャンペーンやマニュアルキャンペーンで実行されている検索キーワードのうち、コンバージョンのないクリックにつながっているキーワード(ネガティブキーワード)を定期的に確認しましょう。PPCキャンペーンや広告グループから不利益な検索キーワードを抽出する場合、以下2点を削除することを目的としています。
- 明らかに製品と関連性のない無関係な検索キーワード
- 製品に関係はあるが、クリックのみでコンバージョンにはつながらないため、不利益となっている検索キーワード
正しく活用すれば、ネガティブキーワードはACoSを削減するために役立ちます。
3. PPC広告のためのCPC入札額を最適化する
キャンペーン、広告グループ、キーワードに対する「最適なCPC」を見つけるためには、キャンペーンの目的(売上やインプレッションの最大化、総利益の最大化、もしくはターゲットACoSの達成)を定義し、関連するメトリクスを計算する必要があります。目的とターゲットを設定したら、色々なCPCテストを実行して、どれがターゲットに一番近いものをもたらすかを確認しましょう。以下に、CPC入札を調整し、最適化するための標準的なルールをいくつかご紹介します。
- ACoSが悪いキーワード: キーワードACoS > 目標値 の場合、入札額を下げる
- ACoSが良いキーワード: キーワードACoS < 目標値 の場合は、入札額を増やす
- コンバージョンのないキーワード:入札額を減らすか、キーワードを一時停止する
- インプレッションが少ない、もしくは全くないキーワード: インプレッションがない場合は、キーワードが商品リストに含まれているか確認しましょう。インプレッションが少ない場合は、入札額を上げてみてください。
入札額変更後は、再度調整が必要かどうかを判断するデータ(インプレッション、クリック、コンバージョンなど)が十分に収集できるまで、時間に余裕をもって待ちましょう。