AmazonベンダーセントラルのPQV(購入数量の相違)とは?

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Amazonベンダーセントラルの購入数量の相違とは、簡単に言うと、実際に納品した数量が商品受注時に約束した数量よりも少ない時に、Amazonが数量の相違もしくは不足を主張してくる事を指します。これは「PQV」と呼ばれます。PQVとはPurchase Quantity Varianceのことで、日本語にすると「購入数量の相違」と訳されるかと思います。実は、PQVの他にも「PPV(Purchase Price Variance)」と呼ばれる「購入価格の相違」に関する不足分請求というのもあるのですが、これまでのPicaro.aiとして行ってきた在庫リカバリーサービスの経験としてはPPVの発生率は低いため、今回のブログではPQVに焦点を当てたいと思います。

ほとんどのベンダーやブランドは、約束した全数量を納品したと主張し、自社ではなく、AmazonのFCでのチェックインプロセスに問題があると考えると思います。

ただ、どちらもそれを証明することは簡単ではなく、ブランドとしては、残念ながらAmazonの在庫受領プロセスを監査して、フルフィルメントセンターでの受領方法を確認することはできません。一方で、自社の出荷プロセスを監査して、数量不足の請求の発生を減らすための対策を講じることはできます。

以下にいくつかの対応方法を記載します。

1.

ベンダーセントラルのカタログを確認して、正しいJAN、UPCとGTINがベンダーセントラルに登録されていることを確認しましょう。取り扱い数量の多いベンダーモデルの場合、結構頻繁に発生するのですが、実際のJANとベンダーセントラルに登録されているJANが異なるということは、よくあります。

  • ベンダーセントラルのカタログに登録されているJAN、UPCと、実際の商品に記載されているJAN、UPCが異なることがあります。
  • 出荷する商品単体には、固有のASIN/GTIN-12/SKU/UPCバーコード1点のみがスキャンできる状態である必要があります。同じASIN/SKU/UPCバーコードが内装箱やマスター外箱にも存在する場合、間違ってスキャンされないように、不要な方のバーコードをシールや、何らかの方法でカバーをしておく必要があります。
  • 内装箱にスキャンが可能なASIN/SKU/UPCバーコードを貼付けできるのは、単品のバーコードと異なり、かつAmazonカタログに掲載されていない場合に限ります。
  • 同様に、マスター外箱にスキャン可能なASIN/SKU/UPCバーコードを貼付け出来るのも、内装箱および単品のバーコードと異なり、かつそのバーコードがAmazonカタログに掲載されていない場合のみです。
  • マスターの外箱または内装箱自体が販売可能な商品である場合は、独自のASIN/SKU/UPCバーコードが必要となります。
  • 内装箱単位での販売がない場合は、単品のバーコードが見えてしまう様な透明な内装梱包は使用しないでください。これは、単品バーコードを間違って内装箱単位として受領されてしまう可能性を避けるためです。
  • セット商品の場合は、単品のSKUとして梱包され、かつ独自のバーコードを貼り付ける必要があります。

実際、最後の4つは頻繁に発生しています。例えば単体(1個)でJANがXXXという商品があったものの、これを5個セットの新商品として販売したいので、5個セットの場合はYYYというJANを付けた。ベンダーセントラル上はXXXとYYYは異なって登録されているが、実際にFCに発送した商品は、確かに5個がまとまって段ボールに入っているのだが、外箱のバーコードには、XXXとYYYの2つのバーコードが貼ってあった。もしくはXXXのバーコードが5個貼ってあったなど。これはAmazon の担当営業と、自社の倉庫とのコミュニケーションが適切にされておらず、メーカーサイドでミスをしてしまっているケースです。余談ですが、Amazonのベンダーマネージャー宛にはこのようなエラーによる質問、問い合わせが非常に良く入ってきます。ベンダーマネージャーは何千というブランドを見ていることもあり、1社の、且つ自分達が作ったわけではない複数セットの状況や、メーカーサイドの倉庫やJANの状況を理解することは本当に困難です。。。この辺りは、最初の契約時に契約書に記載されており、メーカー側が自社でしっかりと管理しなければならない場所となります。

2.

GTINゴールドリスティングを行う

これは、倉庫で配送ラベルをスキャンできない場合でも、GTINをスキャンして受領できるようにするためです。これは、倉庫でAmazon配送ラベルやSSCCラベルを貼り忘れた場合にも役立ちます。

3.

自社倉庫において、Amazon配送ラベルやSSCC(出荷梱包シリアル番号)ラベルをすべての箱に貼るよう指示する(パレットに載せるベンダーコードを除く)

これは非常に重要です。上記でGTINゴールドリスティングを推奨していますが、配送ラベルを貼らなくて良いという意味ではありません。すべての箱に正確に配送ラベルが貼られていることを確認してください。また、配送ラベルには気泡が入らない様に側面の中央に貼る必要があります。フタの面にも貼らないでください。しっかりと濃く印刷された配送ラベルを貼る事が非常に大切です。

4.

パレットオーダーベンダーコードを申請して、可能な限りAmazonがパレット単位で注文するようにし、すべての箱ではなくパレットに1つ配送ラベルを貼れば済むように手間を減らすことも良いでしょう。

5.

商品やケースに複数のバーコードを貼らない。

6.

EDI経由で注文を処理する場合は、MAN*GMセクションのEDI856でカートンレベルの階層にSSCC番号(出荷梱包シリアル番号)を提供してください。

7.

欠品請求に異議を申し立てる場合は、通知を受け取ってから30日以降に行ってください。これは、30日以内にAmazonは追加調整を行うため、最終的には欠品請求の数が減少する事が多い為です。

8.

ASN(Advanced Shipping Notification)は、納品物がAmazonの倉庫に受領される前に処理されていることを確認しましょう。受注数量と発送数量に変更がある場合は、ASNに正しい数量を記載することを忘れないでください。

9.

混合ケースやパレットを避け、標準ケースのパック数とパレットを使用し、SKUを混ぜないようにしましょう。