アメリカアマゾンの出品者は要注目! アメリカ進出で今最もアツいWalmart.comの仕様とローンチまでの手引きをアマゾンと比較しながら徹底解説
Walmartマーケットプレイス(以下Walmart)は、一部のアメリカのセラーだけが騒ぎ立てているだけのものでもなければ、逆にECの専門家にしか語れないような小難しい内容でもありません。Walmartはここ数年消費者を(転じて出品者をも)引き寄せ続けており、そこには既存のECプレイヤー/越境ECプレイヤーは見過ごすことのできない画然たる成長があります。
なぜ、今『Walmart』なのか
▶︎『利便性』
◎品揃え:充実ぶりと時流に沿う柔軟性を兼ね備えたラインナップ
◎迅速な発送・配達(会員費無料)
◎柔軟な返品対応(実店舗/オンライン)
◎モバイル スキャン&ゴー(=買物の支払いを自身のスマホで行うことができる決済手法)
◎無料カーブサイドピックアップ(=店員が商品を車の窓まで持ってきてくれるサービス)
▶︎財布の紐が堅い人をも虜にする『企業バリュー』
◎キャッチコピー:“Save Money. Live Better.”
◎処方箋指定薬からガソリンまでに渡るディスカウント
▶︎Helium10などの外部ツールの充実
◎Amazon同様、Helium10やPACVUEなど、3rd Party製の外部ツールが充実
Walmart.comのユニークビジター(重複を省いた訪問者数)は月あたり1億2千万人にのぼり、EC界での存在感は今後ますます高まっていく見込みにあります。
アマゾンのベンダー/セラーは、このプラットフォームでどのように立ち回ることとするか考え始める必要があるでしょう。
世界最大の多チャネル型小売業者Walmartで出品に乗り出すべき理由:
◎月額費用無料
・マージンの発生は商品が売れた時のみ
◎ウォルマートフルフィルメントサービス(WFS)
・ドロップシッピング(※)に代わる在庫保管/発送代行サービス
※商品をメーカーや卸売業者の自前の倉庫から直接発送する手法
◎Walmartで出品を始めるためのパートナープログラム&リソース
◎2022年、ECビジネスはさらに成長か
・現に、ウォルマートの新サービスGoLocalは急速に人気を集めています
◎Walmartは最新の広告テクノロジーに積極的に投資
・出品者の売上向上の追い風に
◎アマゾンに比べまだ少ない競合相手
Walmartへの出品に関心があるということは、おそらくアマゾン等の他のマーケットプレイスにおいて経験をお持ちなのでしょう。
ここで一つ、Walmartに参入するなら今が絶好の機会であることを裏付けるべく、
あのアマゾンはこれまでどのようにして成功をおさめてきたのか、ザッと確認してみましょう。
アマゾンは世界の誰もが知るEC小売業者であり、最も成熟し洗練された小売メディアネットワークを誇っています。
アマゾンの『Flywheel』と呼ばれる経営戦略(別名:善の循環)の回転速度はもはや誰にも止められなくなってきており、
「マーケットプレイスビジネスとはその性質上、成長が止まらないものである」ということを、長年に渡って、他のEC小売業者に対して背中で示し続けているのです。
Walmartは11,500の店舗を持つ米国最大の小売業者です。
その"実店舗版Flywheel"とも言うべき経営戦略は頗る好調です。
そして2016年以降、WalmartはECシェアの拡大にも注力し始め、その地盤として強固な広告ビジネスを展開しています。
そんな中Walmartは、出品者の間口を広げることで商品ラインナップを拡充させ、自らの"EC版Flywheel"を加速させる動きに出ました。
これは、まだWalmartに参入していないアマゾンのセラーからすれば、大きなチャンスにならないはずがありません。
アメリカ人の90%は、住まいから約15km圏内にWalmartの最寄りの支店があるとされています。
その数11,500にのぼる実店舗が、EC向けのドロップシッピング/フルフィルメント業務のハイブリッド拠点に進化していくにつれ、
配送の効率/スピード/信頼性の全てにおいて、Walmart独自の優位性が醸成されています。
Amazonで収めた成功を更に拡大させたいのであれば、次のステップはWalmartとするのが賢明かもしれません。
アマゾンとWalmartの類似点
もちろん相違点もありますが、まずは手始めに2つのECプラットフォームの類似点からみてみましょう。
マーケットプレイスの仕様
▶︎下準備から出品まで
◎消費者への露出
・出品者は、プラットフォーム側から認可を受けた上で商品を掲載します
◎出品にかかるコスト
・商品が売れた時のみマージンが発生します
◎商品のパフォーマンスは「需要の大きさ」「(類似品と比べた際の)商品詳細ページや価格戦略のクオリティ」に依拠
・CVを強く促す商品詳細ページを構築しましょう
・ベストプラクティスのためのWalmart Retail Readiness Checklistをご覧ください
・Helium 10のWalmartリスティングの作成方法(9分)をご覧ください
・顧客満足度:「顧客の期待を超える」- 初心を大切にしましょう
・商品紹介ページに載せた内容と実際の商品に乖離のないようにしましょう
◎迅速な配送
・フルフィルメントサービスを活用しましょう
◎売上を受け取りましょう
・Walmartから日本の銀行への直接送金サービスはないので、売上受取には、Payoneerのアカウントを準備しておくことをおススメします。
リテールメディア(広告)の仕様
▶︎消費者を誘導し、売上向上へ
◎商品詳細ページのCVR最大化作業が済んだら、次のステップは「母数を増やすこと」です。
◎プロモーションを通じて商品の露出機会を増やしましょう。価格を下げればCVRは上昇し、売上の加速、ひいてはレビュー数の底上げにもつながります。
◎外部サイトから商品紹介ページに誘導しましょう
◎有料検索
・検索結果画面や競合商品の詳細ページにあなたの商品を表示させることで、消費者からの認知を獲得しましょう
・アマゾンのFlywheel(善の循環)と同様、オーガニック検索ランクやキーワード関連性を押し上げるPPC広告もあります
・「検索されたキーワードに対してその商品がどれだけCVを稼いだか」という指標が最も重要視されます
概して、広告を上手に運用して、認知度を高めていきましょう。
Walmartの広告の詳細
準備を整えいざ出品に乗り出せば、次は有料検索が如何に売上を押し上げてくれるものなのか見てみたくなることでしょう。
⑴ビジネス対象/広告のゴール/実行計画を定める
⑵予算と配分の決定
[推奨予算]
ウォルマートの売上の5~10%をウォルマート広告に費やす
[広告タイプ別に予算を分割]
70%オート|20%マニュアルキーワードキャンペーン|10%SBA
[ターゲティングの種類で広告を整理する]
30%ブランデッド|45%カテゴリー|20%競合|5%その他
⑶ローンチ直前期の手引き
[商品を分類する]
商品を正しく分類すれば、見通しの良い広告管理やパフォーマンスの向上、その他事務手続きの簡略化が図れます
[キーワードを分類する]
外部の広告ネットワークから既存のキーワードを取り出し、「ブランド/カテゴリー/競合/その他」という具合に整理する。
[広告の命名規則を定義する]
ブランド|商品|広告タイプ|ターゲティング|マッチタイプ
[広告の構造を定義する]
1つの広告グループにつき、1つの商品のサブカテゴリーを設定する。
1x オート広告
1x ブランド広告
1x カテゴリー広告
1x 競合広告
1x その他の広告
⑷いざローンチへ
一番大きな可能性を秘めた商品及び広告を見定めてWlarmartへの出品のスタートを切りましょう。