Amazon ベンダーチャージバック完全ガイド

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目次

2024年7月1日、Picaro.aiの新しいサービスとして、ベンダー在庫リカバリーサービスをローンチしました。

ところで、そもそも、Amazonのベンダーチャージバックという単語を聞いたことはありますか?ベンダーモデルでアマゾンとビジネスをしている方々は、何度も聞いたことがあるかもしれませんが、当社のクライアントにも、ベンダーチャージバックを正しく理解していない方々も多いので、今回はこちらで詳しく解説していきたいと思います!

Amazonは、Amazonで商品を販売するメーカーに対して厳しいAmazon FCへの出荷プロセス要件を課しています。これは、Amazonサイドの効率的な運営と、エンドユーザーへの迅速な商品の出荷リードタイムを確保するためです。しかし、これらのベンダーへの出荷ルールの厳格化が、Amazonとベンダーとの間に摩擦を引き起こしていることがあります。なぜなら、多くのポリシー違反に対して、ベンダー、メーカーはペナルティチャージバック(罰金)の請求がされるからです。

今回ブログでは、チャージバックとは何か、どのような種類のペナルティがあるのか、そしてVendor Centralでの異議申し立ての方法について説明していきたいとおもいます。

このガイドでは以下の内容をカバーします:

  • Amazonチャージバックとは?
  • Vendor Centralでチャージバックを確認する方法
  • ベンダーチャージバックの種類
    • ASN(事前出荷情報)の正確性
    • 梱包内容の正確性
    • 梱包情報の遵守
    • 輸入書類の遅延提出
    • 納期遵守違反
    • 輸入貨物の遅延予約
    • 無断未配達
    • オンタイム正確性
    • 過大サイズの梱包箱
    • 過剰注文数
    • 超過重量の梱包
    • 紙の請求書
    • 梱包不良
    • 配達拒否
    • SIOC(Ships In Own Container)
  • Amazonチャージバック料金の概要
  • Amazonへのチャージバックの異議申し立て方法

Amazon チャージバックとは?

チャージバックとは、主に商品のFCへの受領時に発生するもので、Amazonが運営プロセス要件に違反したベンダーに発行するペナルティです。例えば、梱包ラベルを間違えたり、製品を納期内に Amazonの倉庫へ配達しなかったりした場合に請求されます。

チャージバックは、各プロセスの小さな欠陥が大きな非効率を生み出し、Amazonに追加コストをもたらすために存在します。これには従業員の残業や長いプロセス、または追加のスタッフが必要になることなどが含まれます。

一部のベンダーは、Amazonと取引するためのチャージバックを単なるコストと見なしていたり、良くわからないけど支払っているというケースが多数ありますが、これらのペナルティは、Amazonとしてはメーカーが既存のプロセスを改善し、Amazonの要件に適合するために努力するように促すために実施しているという側面もあります。

チャージバックパフォーマンスの確認方法

Vendor Centralの「Operational Performance」ダッシュボードで、Amazon とのチャージバックの概要を確認することができます。これを開くには、レポート»Operational Performanceの順に進んでください。コンソールには、選択した期間のアカウントのチャージバックの概要が表示されます。各プロセスの欠陥はそのステータスごとに並べられ、ポリシー違反率や Amazonによって課された金額の詳細が表示されていると思います。

チャージバックの1つをクリックすると、ペナルティを引き起こしたASNと注文の詳細な内訳が週ごとに表示されると思います。一部のビューでは、異なる種類のチャージバックに対して課金された金額と免除された金額が表示されています。新しいチャージバックタイプのソフトローンチ期間中や、ベンダーが誤ったチャージバックに異議を申し立てて成功した場合、Amazonからのペナルティを免除することができます。

チャージバックの詳細な確認を行うために、Amazonはマーケットプレイスや購入注文 ID ごとに詳細な内訳を提供しています。これにアクセスするには、表示されているチャージバックの金額をクリックしてください。表示されたビューでは、チャージバックポータルから完全なレポートをエクスポートしてダウンロードすることができます。

Amazonチャージバックの種類

チャージバックの基本を理解したところで、Vendor Centralのペナルティの種類を詳しく見てみましょう。チャージバックの種類は50以上あると言われていますが、今回はその中でも特にインパクトの大きな15個を紹介させていただきます:

1. ASN(Advanced Shipping Notification)の正確性

ASN(Advanced Shipping Notification)は、出荷内容と運送会社の追跡情報を含む通知メッセージです。ベンダーは、納品物が Amazonのフルフィルメントセンター(FC)に到着する前に ASN を送信する必要があります。

ASN 正確性のチャージバックは、AmazonがEDI経由でASNを受信しなかった場合や、不正確なASNを受信した場合に適用されます。

チャージバックを回避する方法:

納品物がAmazon倉庫に到着する前に、正しいASN情報をAmazonに送信してください。EDIパートナーと協力して、技術的な設定が最新の状態であることを確認してください。

2. 梱包内容の正確性

梱包内容の正確性チャージバックは、Amazonが受領した商品数量が、ASN情報と一致しない場合に適用されます。例えば、ASNの梱包明細には20個と記載されているにも関わらず、Amazonが15個しか受領しなかった場合、オンライン小売業者は違約金を請求します。

チャージバックを回避する方法:

ASNに正確な情報を記載し、梱包内容情報を常に最新の状態に保つようにしてください。これは、製品のアップデート版を発売したり、Amazonに出荷するパッケージサイズを変更したりする場合に特に重要です。

3. Carton Information Compliance梱包情報の遵守

梱包情報の遵守のチャージバックは、 Amazonがフルフィルメントセンターで受領した際に、ラベルが貼られていなかったり、誤ったラベルが貼られていた場合に発生します。

チャージバックを回避する方法:

出荷箱のバーコードやラベルがすべて読み取り可能で、スキャン可能なサイズと品質で印刷されていることを確認してください。梱包内容ラベルには、準拠した20桁の番号(GS1-128標準SSCCまたはAMZNCC)をプレーンテキストとバーコードで表示させる必要があります。さらに、ASN/BOL番号のテキストとバーコード、またはPOの全リストをテキストとバーコードで表示する必要があります。

さらに、このチャージバックを避けるためには、通常のASN必須情報とともに、同じ梱包レベルの識別情報(20桁の番号SSCC、AMZNCC、またはGTIN-14)を含める必要があります。GTIN-13/14のラベルを使用して箱の中身をすべて表示する場合は、Amazonが商品を受け取る前に、準拠したGS-1バーコードが箱に表示されていること、およびGTINカタログデータがグローバルデータ同期ネットワーク(GDSN)を介してAmazonに提供されていることを確認してください。

4. 輸入書類の遅延提出

このチャージバックは、Amazonとのダイレクトフルフィルメント(直接輸入モデル)において、納期内に貿易書類を提出しなかった場合に発生します。Amazonは、海上貨物の場合は発送日から4日以内、航空貨物の場合は発送当日にこれらの書類を要求します。

チャージバックを回避する方法:

御社内のプロセスを見直し、海上貨物または航空貨物の発送予定日までに必要な輸入書類をすべて提出してください。

5. 輸入貨物の納期遵守違反

このチャージバックは、Amazonが指定した納品予定期間外の納期を入力した場合に適用されます。

チャージバックを回避する方法:

このチャージバックを回避するためには、Amazonの注文書に記載されている期限内に予定納品日を入力してください。

6. 輸入貨物の遅延予約

海上貨物の場合は発送受付開始日の14日前まで、航空貨物の場合は発送受付開始日の3日前までに、輸入貨物の予約を行う必要があります。怠った場合、輸入貨物の予約遅延によるチャージバックが請求されます。

チャージバックを回避する方法:

ダイレクトフルフィルメントのご予約は、出荷受付開始日の少なくとも14日前(海上貨物)、または3日前(航空貨物)までに送信してください。

7. 無断未配達

運送業者が配達予定日に来ず、配達予定日を事前にキャンセルしなかった場合に発生します。多くの運送業者は、特に第4四半期のような繁忙期には、Amazonに配送する前に自社倉庫に貨物を一次保管し、他の納品物と一緒に一本化して配達します。その結果、配送業者がAmazonへの配送日を変更することがあります。当初の配送予約をキャンセルしなかった場合、No Show Chargebackが発生します。

チャージバックを回避する方法:

Amazonの配送予約リクエストポータル(CARP)を通して、配送予約を正しく予約・キャンセルできるよう、配送業者と協力してください。

8. オンタイム正確性

Amazonからの発注依頼で指定された配送時間外に配達された場合、Amazonはチャージバックを発行します。

チャージバックを回避する方法:

すべての商品は、注文書に割り当てられた出荷期限内に配送するようにしてください。必要に応じて、在庫割り当てにおいてはAmazonを優先し、ベンダー全体のリードタイムを短縮する必要があるかもしれません。

9. 過大サイズの梱包箱

これは、商品単体が63.5cmより大きい場合を除き、一辺が63.5cmを超える箱をAmazon倉庫に送った場合に発生します。

チャージバックを回避する方法:

複数の商品が入っている箱の一辺が63.5cmを超えないようにしてください。

10. 過剰注文数

Amazonが注文した以上の商品を受領した場合、超過個数分のチャージバックがかかります。例えば、Amazonが10個を注文し、25個を受け取った場合、チャージバックは超過分の15個に適用されます。

チャージバックを避けるには:

このようなチャージバックは、カタログのズレが原因であることが多いです。商品カタログデータを定期的に見直し、更新してください。Amazon Vendor Service (AVS)に加入している場合は、ケースパックとインナーパックのカタログデータをダブルチェックしてもらいましょう。

11. 超過重量の梱包

商品単体の重量が23kg以上でない限り、23kg以上の箱をAmazon倉庫に送った場合に発生します。

チャージバックを回避する方法:

複数の商品が入った箱の重量が23kgを超えないようにしてください。一個当たりの商品が23kgを超える場合は、個別に梱包し、heavyと記載されたラベルを貼る必要があります。

12. 紙の請求書

紙の請求書を送付したり、ベンダーセントラルの問い合わせフォームからPDFの請求書を送ると、このチャージバックが発生します。

チャージバックを回避する方法:

EDIの利用、またはベンダーセントラルの「請求書作成」機能を使用したウェブベースの請求書のみを送信してください。

13. 梱包不良

商品を安全にお客様へお届けするために追加の準備が必要な場合、Amazonはチャージバックを発行します。

どのような準備を必要とするかによって、異なるサブタイプに分けられます:

  • 袋詰め
  • バーコードラベリング
  • バブルラッピング
  • オーバーボックス
  • セット作成
  • テーピング
チャージバックを回避する方法:

お客様への配送に適した梱包で商品を配送するようにしてください。具体的な要件が不明な場合は、ベンダーセントラルのヘルプセンターを参照してください。

14. 配達拒否

Amazonがフルフィルメントセンターでの受領中に安全性やコンプライアンス上の問題が発生した場合に発行されます。例えば、パレットの積み方が安全でない場合や、適切に固定されていない場合に受領を拒否することがあります。

チャージバックの回避方法:

Amazonの安全、衛生、危険に関する規定に従ってパレットを配送してください。詳しい手順は、ベンダーセントラルのリソースセンターにあるベンダーマニュアルをご覧ください。

15. Ships In Own Container

Amazonの追加梱包が不要な商品(SIOC:Ships In Own Container)として認証されていない商品に適用されます。45.5 x 34.0 x 26.5 cmまたは12.3 kgを超える場合がこれに当てはまります。ただし、アドベントカレンダー、メディア商品、危険物を含む商品など、このペナルティを免除される商品もあります。

チャージバックを回避する方法:

ベンダーマネージャーおよびAVSと連携し、SIOC認証を取得するようにしてください。また、ご自身で、またはISTA認定の第三者ラボを経由して、製品を認証することもできます。

Amazon チャージバック料金の概要

以下の表は、アメリカのサプライヤーに適用される手数料の概要です(日本のものが上手く見つけららず、すみません。。):

北米のチャージバック料金の概要

Amazon へのチャージバックの異議申し立て方法

間違ったチャージバックが発行されたと感じた場合は、異議申し立てを行うことができます。

手順としては、Vendor Centralへログインし、「レポート」をクリック、「運営パフォーマンス」へ進んでください。 次のページ内の右上「欠陥リストを見る」をクリックします。表示された一覧で、異議を申し立てたい取引を選択します。左上の「異議を申し立てる(Dispute)」をクリックし証拠書類を添付して提出します。

チャージバックの概要と異議申し立てオプション

異議申し立ては、ベンダーセントラルに表示されてから30日以内に行う必要があります。実はこれがやっかいで、多くのベンダーが適切なタイミングで異議申し立てをできていないケースが多数存在しています。また、実はAmazon側がレシーブするのに30日以上必要になってしまうケースがあるのですが、これによっても、適切なタイミングでの意義申し立てができないケースがあります。

そのため、Amazonアカウントのリソースの割り当てと間接的コストを削減するために、毎週これらのデータの詳細を確認し、御社に代わって異議申し立てをするような企業にアウトソースすると良いでしょう。

チャージバックの免除をアニュアルビジネスレビューの場での交渉の一環として要求することも検討しましょう。ベンダーマネージャーは、新しく市場に参入したばかりのベンダーや、12か月間にわたり根本的なプロセスの欠陥を修正することを約束した場合、免除が認められることが稀にありますし、誤ったベンダーチャージバックでXX%の損失が出ているので、Coop%を下げて欲しいといったような交渉も十分可能です。

最後に

Amazonでの利益率(netPPM)を守るために、チャージバックの管理は非常に重要です。これらのペナルティはすぐに蓄積され、損益計算書(P&L)に予期せぬコストを発生させてしまいます。

チャージバックをAmazonと取引するために必要なコストと考えるベンダーも多いですが、実際にはそうではなく、アマゾンへの納品プロセスの整合性を取るためのチャンスと捉える方が良いでしょう。

しかし、時にはAmazonが誤ったチャージバックを発行することもあります。これに対処する最良の方法は、異議申し立てのプロセスを毎週行い、これらの料金を取り戻してくれる、我々Picaro.aiが提供するベンダー在庫リカバリーサービスなどを使うことだと思います。