AmazonのPQV(在庫数相違のクレーム)とPPV(価格相違のクレーム)

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ベンダーのみなさまはアマゾンとのビジネスをしている中で、PQVやPPVという単語を聞いたことはございますでしょうか。先日当社がサービスを開始したベンダー向け在庫リカバリーサービスですが、ベンダーのみなさまと会話をしている中で、そもそもPQVやPPVを正しく理解されていない方々が非常に多くいらっしゃいました。我々のようなアマゾン専門のコンサルティング会社では、これらの単語は日常的にベンダーとの会話の中に出てくるので、馴染みが深いのですが、通常のクライアントサイドのEC担当者の方や、アマゾンの広告のみの運用代行をされてる企業の場合だと、これらの単語を使うことは少ないのではない様子です。そこで今回は、PQVやPPVの理解を深めていただくために、以下の内容でブログを書いていきたいと思います。

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Amazonの購入数量(PQV)の相違とは?

Amazonの購入数量の相違とは、請求書に記載された数量とAmazonが受領した数量が一致しないことを指します。これをPQV(Purchase Quantity Variance)とも呼びます。例えば、請求書には6個と記載されているのに、Amazonが3個しか受領していないと主張する場合です。

PQV請求にはタイミングが大きく関係しており、請求書期日前の未確定PQVと期日後の確定PQVに分けられます。

未確定PQVは様々なアラート(発注確認の更新、出荷の更新、ルートやスケジュールの変更等)を捉えて、PQV発生の可能性がある納品物としてマークされます。最終的に問題が解決されれば、PQVクレームとならない場合もあります。

請求書の期日を境に、Amazon側での受領数と請求書に記載された数量が一致しない場合、未確定PQVは確定PQVに変わります。これは、商品の出荷からAmazonでの受領までのプロセスの中で、何かしらの不具合があったために、Amazonが請求書通りに支払いが出来ない状態です。このように、Amazonのタイミング要素を理解することが重要です。

在庫不足のクレームが発生する理由

サプライチェーンには多くのプロセスが関与しているため、不足が発生する理由を即座に理解するのは困難です。ここでは、Amazonと取引するベンダーやサプライヤーでよく見られる課題の事例をいくつか紹介します。

1. 商品カタログのエラー

商品のカタログ情報(サイズ、重量、寸法、価格など)が正確でないと問題が発生します。例えば、カタログでは1ケースに100個の商品が含まれていると登録されているのに、実際には10個しかない場合、Amazonでの受け取り時に問題が生じます。このようなエラーは後々まで影響を及ぼします。したがって、カタログ情報を常に正確で最新の状態に保つことが重要です。すべての出荷および商品の情報が正確であることを再確認することが、PQVを防ぐ基本的なステップです。

2. ASN(出荷通知)の送信漏れや誤送信

ASN(Advanced Shipment Notification)は、仮想のBOL(Bill of Lading)やパッキングリストのようなもので、ベンダーからAmazonに送信される情報です。これにより、Amazonはシステム上で受け取る予定の在庫を自動的に把握できます。もしASNを送信し忘れたり、遅れて送信したりすると、Amazonは何をいつ受け取るべきか分かりません。ASNはAmazonの自動受取プロセスにとって非常に重要な情報です。適切なASNを正確な情報と共にAmazonに提供することが重要で、これが欠けるとAmazonは自動受取プロセスを使用できず、手動でのスキャンや棚入れが必要となり、エラーの可能性が増え、リードタイムも長くなります。ASNの送信遅れや忘れには多くの考慮事項があり、これがPQVの原因となることがあります。

3. 請求書の送信タイミングと重複

請求書を早く送信しすぎたり、重複して送信することもPQVの原因になります。Amazonのマッチングプロセスは、フルフィルメントセンターで受け取った商品と、請求書に記載された内容を一致させることを目的としています。請求書を早く送信しすぎると、実際の出荷と一致しない場合があり、Amazonの自動化プロセスによって別の注文と誤ってマッチングされることがあります。例えば、出荷がまだ完了していないのにAmazonがすでに受領完了と表示する場合、これは請求書が早すぎて送信されたためです。このようなタイミングの問題が不足の原因となることがあります。

また、請求書を重複して送信すると、注文の半分が一つの請求書に、もう半分が別の請求書に分かれてしまい、両方の請求書が不足しているように見えます。これは仮想的な不足として扱われますが、タイミングや自動化プロセスの混乱を招くため、物理的な不足と同様に問題を引き起こします。

4. ラベルの不適合

Amazonのラベル基準に従わないと、PQVの原因になります。ラベルはAmazonの自動受取プロセスにおいて重要な役割を果たし、物理的なパッケージと仮想的な事前出荷通知(ASN)を結びつけるリンクです。正確に送信された場合、Amazonはラベルやカートンのバーコードをスキャンして事前出荷通知とシステム的にリンクさせることができ、カートンを開けずに自動的に受け取ることができます。

しかし、ラベルが正しくない場合、Amazonは箱を手動で開ける必要があり、手作業によるエラーの可能性が増え、受取に追加のリードタイムが発生します。これにより、後続のプロセスに多大な影響が生じます。Amazonのラベル基準を守ることは、商品の取り扱いをスムーズにするために非常に重要です。

5. リードタイムの管理不足

ベンダーリードタイム(VLT)は、Amazonがベンダーのパフォーマンスを測るために使用する重要な指標です。これは、注文から商品がAmazonの在庫に納入されるまでの日数を示します。日数が短ければ短いほど良い結果となり、Amazonにもベンダーにも利益をもたらします。

リードタイムを短縮することは、サプライチェーンの摩擦を減らすために重要です。Amazonとのコミュニケーションは通常、Vendor CentralやEDIを通じて行われ、これが発注確認プロセスで重要な役割を果たします。多くの注文を正確に履行するために、Amazonに送る内容とタイミングについて一貫してコミュニケーションを取ることが必要です。

例えば、発注内容を確認した後に変更を加えたり、ラインをカットしたりしても、それを反映せずに請求を行うと問題が発生します。こうした情報の更新をAmazonに送らないと、在庫を受け取る際やPQVが発生する際に問題が生じます。

6. Amazonの納品時間枠に非準拠

Amazonの受領期間に従わないと、不足が発生する可能性が高まります。これは、Amazonがフルフィルメントセンターでの受取時間を厳格に割り当てているためです。ベンダーは、Amazonのスケジュールに合わせることが求められます。

納品時間枠を守らないと、受取プロセスに問題が発生し、支払いと減額のタイミングに関連するPQVが発生する可能性があります。出荷が遅れると、支払い条件が短い場合に不足や完全な出荷不足のように見える問題が発生します。これは多くの場合、タイミングによるものです。

納品を時間通りに行うのが難しい場合や、Amazonにその情報を更新するのに問題がある場合、タイミングに関連するPQVの問題が発生する可能性が非常に高いです。

7. 入庫処理

入庫処理は手動で行わなければならない場合があります。Amazonは高度に自動化されているため、自動化された受取プロセスの外で何かが発生すると、ペナルティを受けることになります。これはチャージバックとして現れ、コンプライアンス違反に対する罰金です。今回のテーマはPQVですが、多くの場合、チャージバックはラベリングの問題やASN(事前出荷通知)の不正確性などが原因で発生します。特定の製品カテゴリでは、Amazonに送るために厳格なパッケージング基準を満たさなければなりません。この基準を満たしていないと、Amazonはパッケージングをやり直さなければならず、時間がかかります。

これにより、チャージバックの形で罰せられるだけでなく、受取プロセスに時間がかかることになります。請求書の支払期日を超えると、タイミングやAmazonの受取プロセスの摩擦に関連する多くの問題が発生します。手動のプロセスはエラーが発生しやすく、特にAmazonのスピードとペースではなおさらです。Amazonの基準は「スピード重視」であり、手動で処理する必要がある場合、迅速に行われますがエラーが発生しやすくなります。そのため、手動プロセスを避け、受取プロセスがスムーズに進むようにすることが重要です。

8. 盗難防止

最後に、盗難防止についてです。発生頻度は少ないですが、商品を発送した後やAmazonに納品した後に、商品が行方不明になることがあります。このような問題が発生した場合、いくつかの解決方法がありますが、PQVが発生する例外的な理由の一つと言えます。

PQVクレームの防止策

ここからは、PQVクレームを未然に防ぐための戦略的な方法についてお話しします。

1. 請求書のキャンセル

請求書のキャンセルは、問題が発生した場合に金額調整をするための戦術的な手段です。発送が予定通りに進まず、すでにAmazonに請求書を提出してしまった場合でも、この方法を使うことができます。この手順は「クレジットメモ」と呼ばれ、請求書をゼロにする方法です。

例えば、請求書の重複などのエラーが発生した場合、予定通りに出荷ができない場合に、提出した請求書をキャンセルする時間的な猶予があります。この戦術的な方法を用いることで、会計エラーや誤って複数の請求書を発行してしまった場合に対応できます。

2. タイミングの重要性

タイミングは非常に重要で、ミスマッチや潜在的なミスマッチを避けるためには、適切なタイミングで行動することが大切です。Amazonでは指定された期間内に請求書を送る必要がありますが、一般的なベストプラクティスとしては、配達予定日の1~4日前に請求書を送ることをお勧めします。これにより、処理される時間が十分に確保され、発送内容と請求書が正確にマッチするようになります。

3. カタログメンテナンスの重要性

カタログの設定やアイテムの正確性は非常に重要です。上流で設定が正しく行われていないと、下流で多くの問題が発生します。理想的には四半期ごと、半年ごと、最低でも年に一度の定期的なカタログメンテナンスを行うことが重要です。特に売れ筋商品については、このメンテナンスが鍵となります。

4. 正確なPOとASN

請求書の内容はPO(購入注文書)およびASN(発送通知)と一致していなければなりません。これは、カタログやAmazonの設定だけでなく、POA(購入注文プロセス)のライフサイクル全体にわたるコミュニケーションにも関連する重要なポイントです。よく見られるエラーの一つは、請求書とPOの間の不一致です。このような状況では、一方が他方と連携していないことが原因です。

三者間の一致を確保することが重要です。異なるSKU(商品コード)やASIN(Amazonの商品識別コード)を異なる顧客に送信する場合でも、すべてが一致していることを確認してください。最終的に、Amazonがすべての情報や在庫を一貫して受け取ることが重要です。したがって、これらの要素間で一対一の一致を確保することは、在庫不足を避けるために非常に重要です。

5. ラベルについて

前述した通り、ラベルは物理的な世界と仮想的な世界をつなぐ重要なリンクであり、Amazonが箱を開けずに自動的に商品を受け取るための重要な手段です。コンプライアンスに関する問題でもありますが、特に重要なのは、箱やマスターパックに一つのラベルしか貼らないことです。UPC(商品コード)を箱に貼らないことも重要です。

製造工程や梱包方法が異なる場合は、チャレンジとなるかもしれませんが、Amazonの受領方法としては、すべてのカートンをレーザースキャナートンネル(いわゆるパーセル識別器)に通すことが推奨されています。この装置はカートンのすべての面を同時にスキャンしながら、サイズや重さ、寸法を測定します。非常に精密な機械ですが、複数のラベルが貼られていると、機械が適切に読み取ることができず、誤ったラベルをスキャンしてしまうことがあります。

特にUPCが貼られている場合、機械が配送箱を単品と認識し、複数の商品が入った配送箱であることを理解できないことがあります。これがPQVの原因となることがよくあります。

6. 運送状および発注書書類

出荷内容が運送状および購入注文書(PO)に従って完全であることを確認することも重要です。十分な注意を払い、この特定の注文に関する証拠や書類が完全に配達されたことを確認しましょう。これは、Amazonに伝えている内容と書類が一致していることを確認するためです。

7. SLCを避ける

書類に関して避けるべきこととして、BOL(積荷目録)にSLC(Shipper Load and Count)と記載しないことがあります。SLCの記載は、荷送人が荷積みを行ったことを示すものであり、多くの場合、荷送人に大きな責任が発生します。そのため、荷送人が荷積みを行ったという内容で署名する代わりに、SLCの記載を避けることで、一般的な不足に対する責任を回避することができます。

8. コンプライアンス要件の確認

最後に、Amazonのラベリングおよび配達に関するコンプライアンス要件を確認することが絶対に重要です。これはAmazonとの取引ルールを理解し、彼らが設定したルールに従わなければならないことを意味します。Amazonはベンダーに対する期待について非常に詳細な説明を提供しており、それは「ベンダー輸送ガイドライン」と呼ばれる文書に記載されています。この文書はVendor Centralにリンクされており、定期的に更新されます。

ルールが頻繁に変わるため、常に最新情報を把握するのは大変ですが、我々Picaro.aiのチームがこれらの更新や変更に常に対応しています。コンプライアンスの最新情報や変更点について、私たちが提供する最新情報を追跡し、把握することができます。

PQVクレームへの対応

在庫不足を引き起こす要因とその回避方法について詳しく説明しましたが、次に、それらのクレームに対処する方法について説明します。Amazonは独自の特徴を持っており、そのため他の小売業者とは異なる点があります。ここでは、その重要なポイントについて説明します。

POD(Proof of Delivery、配達証明)が必須ではない

驚かれるかもしれませんが、AmazonはPQVクレームを争う際にPODを必要としません。これは、Amazonが最近行ったプロセスの変更によるもので、3〜4年前からのことです。以前は、AmazonはPQVクレームにPODを求めていました。

Amazonがこれを行わなくなった理由は、PODやBOL(Bill of Lading、積荷目録)のレビューが非常にリソースを要するためです。これらの書類には統一されたフォーマットがなく、手書きや不鮮明なものも多いため、一貫性と正確性を確認するために人の目でのレビューが必要です。これは時間がかかり、Amazonの効率性と自動化の方針に合いません。

Amazonが要求する情報

代わりに、Amazonは商品コード(SKU、ASIN、商品番号など)や出荷情報(配達時間など)を求めます。これにより、Amazonはこれらの情報をもとに在庫の追跡を行い、適切に対応することができます。これが、AmazonがPODを不要と考える理由です。

ただし、PODやBOLが必須ではなくても、争議の過程で有用な情報となる場合があります。特に最終的な解決時には有用であることを覚えておいてください。

支払いと請求の仕組み

Amazonでは、在庫不足クレームに対する支払いと請求のプロセスが行われますが、これは請求書全体を対象にするのではなく、受領していないアイテムに対してのみ行われます。つまり、Amazonは受領した商品に対しては支払いを行い、受領していない商品に対してのみ請求を行います。

PQVクレームへの異議申し立て申し立てプロセス

ステップ1: 通知の設定

Amazonは非常に自動化されたプラットフォームです。Vendor Centralには、様々な通知設定を管理できる通知センターがあり、適切に設定することで、カタログ設定の問題、注文通知、不足など、PO(購入注文)ライフサイクルの各段階で発生するすべての事項に関して通知を受け取ることができます。

まず、現在の通知設定を確認し、最新の状態に保つことが重要です。特に、設定を行った担当者がその役割から離れている場合は、二重にチェックすることをお勧めします。通知メールが受信されていない場合は、通知セクションに入り、受信者情報を最新のものに更新してください。売掛金セクションの通知受信者も確認し、適切な担当者に変更しておくことで、重要な情報を確実に受け取れるようにしましょう。これにより、問題が発生した際に迅速に対応するためのシグナルを得ることができます。

ステップ2: クレームの正当性を確認する

クレームが発生した場合、その在庫不足クレームが本当に正当なものかどうかを検証することが重要です。Amazonは通知を出す前にいくつかのチェックを行います。通知前の一定期間、バックグラウンドでその不足を照合し続けます。AmazonのSmartMatchシステムは、この照合システムを指しており、請求書の期日までに不足クレームがあると判断した場合、Amazonは不足クレームを発行し、その後もチェックを続けます。

しかし、ベンダーやサプライヤー側でも注意深く確認する必要があります。例えば、タイミングの問題ではないか?自社側の問題で不足が発生したのか?配送の問題が原因か?請求書の内容に誤りがあるか?これらの確認を通じて、クレームが本当に正当なものか、それともタイミングや他の問題によるものかを特定します。

ステップ3: クレームへの異議申し立て

クレームが無効であることを確認した場合、すべての商品が完全に出荷され、コンプライアンス関連の問題が発生していないことが分かっていれば、抗議の時です。Amazonに対してクレームを提起し、その金額を回収しようとする時です。

Vendor Centralでの手順としては、Vendor Central>Payment>Invoices>と進みます。こちらに、「Available actions」と記載された小さなアクションボタンが表示されます。これらはクイックアクションボタンで、不足クレームを確認および争議するために選択できます。

通常、直近60日から90日間の請求書を確認します。これは、最近受け取った在庫不足クレームを検証するための方法の一つです。

このセクション内で、これらを見直す方法が説明されます。利用可能なアクションのドロップダウンメニューから、クレームをASINごとに申し立てるオプションを選択します。

ステップ4: PQVクレームを確認する方法

まず、請求書の一つを選択します。次に、利用可能なアクションのドロップダウンメニューから、「ASINによる不足クレームの申し立て」オプションを見つけてクリックします。これにより、クレームの申し立てや異議申し立てを開始することができます。もし、調査を行った結果、その特定の請求書とPQVクレームが無効であると確信している場合は、このオプションを選択してクレームを申し立ててください。

ステップ5: 情報の入力

ここからが本番です。準備が整ったら、調査で得た情報をクレームに入力する必要があります。Amazonは特定の情報を求めてきますが、その中にはクレーム数量も含まれます。不足クレームのうち、実際にどれだけを申し立てたいのか、部分的なものか、全体か、どれが実際に出荷されたかを示してください。製品についてさらに詳しく説明することが求められます。例えば、実際に何を出荷したのか、もし間違ってAmazonに別の製品を出荷した場合、それを特定し、カタログにリンクするための詳細な情報を提供してください。これにはASINやSKU、その他のユニット識別子が含まれます。出荷日も重要です。これは、Amazonがネットワーク内で測量し、少し遅れて受け取ったものや、まだ手続き中にある可能性があるものを特定するのに役立ちます。

ステップ6: 補足情報の追加

必要な情報をすべて入力したら、さらに補足情報を追加することをおすすめします。ただし、情報を過剰に提供しすぎないように注意し、簡潔で関連性のある詳細を提供しましょう。例えば、ASN(出荷通知書)を含めると、Amazonが受け取ったアイテムの日時や数量を確認しやすくなり、問題解決がスムーズになります。さらに、カートンレベルのラベルの画像を提供することも効果的です。これらの視覚情報により、Amazonは受け取った在庫を迅速に識別し、クレームの妥当性を確認しやすくなります。

ステップ7: 更なる追加情報

ここでは、添付ファイルやその他の詳細を追加することができます。まず、ケースのタイトルを記入します。これは些細なことに思えるかもしれませんが、請求書番号を使用する等の簡単に参照できるタイトルにすることをおすすめします。申し立てデータには通常あまり多くの情報が含まれておらず、申し立て後には請求書が含まれないため、請求書番号を使うと追跡が簡単になります。

次に、ケース概要を記載し、あなたの主張の根拠を説明します。なぜ異議を唱えているのかを明確に示しましょう。情報は多すぎず少なすぎず、ちょうどいい量にすることが重要です。正しい情報を含めることで、Amazonがあなたの主張や異議をよりよく調査し、検証するのに役立ちます。

最後に、追加の添付ファイルを提供します。例えば、ASNやパッケージの画像などの追加の証拠があれば、ここに添付します。ただし、情報を過剰に提供しないように注意してください。Amazonの担当者がケースを調査する時間は限られているため、情報が多すぎると見落とされる可能性があります。必要な情報を含めつつ、簡潔にまとめることが大切です。

ステップ8:

最後に、ここでは忍耐が必要です。申請を提出したら、それを確認して提出し、待つことになります。その間にできることがいくつかあります。例えば、請求書をキャンセルすることです。もし追加の調査を行って、ミスをしたと気付いた場合、クレジットメモを提出するオプションがあります。これにはリスクはありません。

Amazonには非常に厳格なプロセスがあり、不当な支払いはほとんど行いません。もしAmazonが在庫や欠品を確認した場合、きちんと支払いもされます。また、再度証拠を見つけた場合には、クレジットを発行したり、訴訟をキャンセルしたりする選択肢があります。待つことが最も難しいかもしれませんが、Amazonがあなたの異議申し立てをレビューし、処理した後、返金を受け取るまで忍耐強く待つことが重要です。

通常、ケースのレビューには7から10営業日かかります。Amazonの業務の忙しさやケースのボリュームによっては、時間がかかることがありますが、一般的には、Amazonが承認した後に返金を発行するのに7から10日、ケースを処理するのに平均で約30日かかります。返金のタイムラインを考慮しながら待ちましょう。

覚えておくべき重要な点として、Amazonは再度の異議申し立てを許可していません。少なくとも在庫不足や価格請求に関しては、一度限りのチャンスです。異議を正当化するためにクレームを検証し、異議を申し立てる前にきちんとした調査とデューディリジェンスを行うことが重要です。

Amazonの受信プロセスの性質を考慮すると、エラーが発生する可能性があります。しかし、きちんとした調査を行うことが最終的には全関係者のためになるのです。その一度のチャンスを逃さないように、しっかりと準備をしてください。

PPV(価格相違のクレーム)

価格請求は、基本的には請求書と発注書の間で発生する価格の単純な不一致です。ここでの例では、非常にわかりやすいですが、請求書に記載されている価格が発注書よりも高い場合に、Amazonは「価格請求」または「PPV(Purchase Price Variance)」を発行します。これは、価格請求または価格の不一致のことを指します。

このタイプの請求は、変数が比較的シンプルであり、発注書と請求書の間の単価の不一致だけであるため、無効な場合には比較的簡単に対処できます。

では、なぜ価格請求が発生するのか、いくつかの原因を見てみましょう。

発注書の欠落:

これは、商品がどのように入荷されるかや初期設定の一部として、確認ステップに関連する問題である可能性があります。

コスト更新に関連する課題:

特に過去数年間のインフレや価格上昇、サプライチェーンの影響で、コストの増加が見られます。これらの更新は、さまざまなシステム全体で追跡し更新するのが難しい場合があります。

四捨五入の誤差:

単位、ケース、パレット、積載段数などの間で多くの計算を行うと、四捨五入の誤差が発生します。これが価格請求の原因となることがあります。ケースと単位、単位とパレットなどの間で多くの変換を行う場合は、計算が合うようにすることが重要です。

商品の切り替え:

異なる構成やチャネルによって、異なる価格が設定されている場合があります。データ形式の変更でも、価格請求の原因となることがあります。価格請求はシンプルな不一致に基づくため、適切に対処することで解決しやすい問題であるといえるでしょう。

PPVクレームの防止

さて、次は回避の方法について話しましょう。価格クレームは、欠品クレームよりも少しわかりやすいです。以下の手順を実行することで、回避することができます。

1. EDIの実装

請求書のEDI(電子データ交換)を実装することで、プロセス全体において一貫性が高まり、PO(発注書)の確認や請求の段階での価格やコストの不一致を防げます。POの確認や、ライフサイクルの最終段階での請求において、一貫性を持たせることが重要です。

2. 一貫性の維持

POライフサイクルのすべてのステップにおいて、通貨、コスト、単位数が一貫していることを確認することが重要です。これには、ASN(発送通知)や発注書が含まれます。一貫性を保つことで、価格クレームを回避できます。

3. カタログの設定の正確性

カタログ設定の正確性も重要です。異なるUPC(ユニバーサル商品コード)や単位識別子がある場合に、価格の不一致が生じる可能性があります。これが価格クレームの原因となることがあります。

4. 価格変更の履歴の保持

過去の価格変更の正確な履歴を維持することも重要です。問題が発生した場合に、過去の変更時期を示す記録があることで、システム全体での更新が確実に行われているか、将来の問題の原因を特定しやすくなります。

5. 梱包数量の一貫性

ケースや単位間の梱包数量が一貫していることを確認することも重要です。設定と構成が正しく行われていることを確認してください。

6. 請求手順の正確さ

請求手順も重要です。タイミングの問題で価格クレームが発生する可能性があるため、請求書の提出方法や、商品の受領タイミング、請求書の処理量なども一貫していることを確認してください。

これらの手順を実行することで、価格クレームを回避し、一貫性と正確性を保つことができます。

PPVクレームへの対応

価格クレームの異議申し立てプロセスにおける重要な注意点

さて、価格クレームについての簡単な要点をお伝えします。これらの異議申し立てには追加の書類は必要ありません。PO(発注書)のコストと請求書のコストの間に不一致があることを示せば、Amazonが支払った金額が低い場合、有効な異議申し立てができます。理想的な異議申し立てのタイムラインは、請求書の支払期限から30日以内です。できるだけ早く対処するのが理想です。価格クレームには、欠品クレームと同様に和解プロセスがあります。価格クレームが解決できない場合には、和解プロセスを通じて管理することができますので、覚えておいてください。

Amazonからの通知

先ほどのPQVクレームと同様に、AmazonからPPVクレームについてのメールや通知が届きます。これは、請求書と最初に合意したPOの間に不一致があることを示しています。

PPVクレームの異議申し立てプロセス

価格の不一致を確認し、異議申し立てをする方法は2つあります。

1つ目のオプションは、Payment>Invoicesから行います。Available Actions項目内のメニューから、具体的に価格請求の控除として価格の不一致を申し立てることができます。

2つ目のオプションは、Payments>Dispute Management>Create New Disputeから提出します。特定の請求書番号を入力すると、その請求書が緑色にハイライトされ、実際にクレームしたい内容が表示されます。続行をクリックし、他のクレームと同じようなワークフローで、タイトル、正当性を証明する説明文を入力します。最後にレビューをする際、Amazonの不足支払いを証明する追加ファイル等を添付できます。

Picaro.aiの提供するベンダー向け在庫リカバリーサービスは、ベンダーの皆様が収益損失を減らすためのクラウドベースのツールを提供しています。商品カテゴリーに関わらず、ベンダーチャージバック、PPV、PQVの根本原因の特定、異議申し立てから回収までを幅広くサポートしておりますので、アマゾンからの未回収金がどの程度あるのか知りたい、もしくは申請を代行して欲しいなどのご要望がございましたら、是非お問い合わせいただければと思います。