イーベイ・ジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、以下:イーベイ・ジャパン)は、イーベイ・ジャパンの越境EC支援サービスを利用し、世界へ向け越境EC事業を3年以上展開している日本企業111社の担当者111名に、越境ECに関する実態調査を実施した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
越境ECを始めた当初の課題を質問したところ、「配送にかかわるリスク」が 60.36%とトップに。次いで「顧客対応」45.05%、「制度や規制に関する情報不足」39.64%、「現地語への対応」31.53%という結果になった。一方で、現在の課題について質問すると、「プロモーション」が36.04%でトップに。次いで「必要な人員の不足」が33.33%と、開始当初とは異なる課題が上位に入った。越境EC支援により、当初の課題から今後のさらなる販売強化を見据えての課題にシフトしたことがうかがえるとしている。
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中国以外の越境ECにおける販売者側の需要の変化は非常に強く、当社へも多くの問い合わせはeBayのレポートにあるように、プロモーションの運用についてです。
まず、当社としては、越境ECに対する需要の変化は、大まかに下記のようなPhaseがあると思っております。(実はこのような動きは越境ECに限らず、国内ECでもほぼ同じではあるのですが)
Phase 1「商品を運ぶ(輸入、通関、納品)」
Phase 2「現地のECプラットフォームでの販促活動」
Phase 3「メーカーの直接参入と、現地のECプラットフォーム以外での各種ブランディングマーケティングアクション」
Phase 4は「オフラインを含むチャネル拡大」
日本から中国に関して言えば、リードしているメーカーはすでにPhase 3~Phase 4で、Phase 1~2は代行などによって国内での需要が盛り上がったために、何らかの形で進出したかったが、まだdemandがないメーカーに対しては中国のplatformから積極的なrecruitingがされなかったために、どうしようか悩んでいたところ、2019年1月1日の法改正によって代行による購買がなくなり、最近急激に中国進出に対する熱が冷めてきているという感じだと思っております。
一方、日本から見たアメリカへの越境ECはPhaseで言うとまだPhase 1~2という認識をしております。こ数年間、日本からアメリカへの越境ECを盛り上げ、リードしてきていたのは、先駆者的に新しい市場にチャレンジした個人の方々や、DHL、日本郵便などの輸出~輸入、現地での配送をメインとした物流会社(フォーワーダー)がメインと認識していて、現時点では彼らとパートナーシップを組んでアメリカへの越境ECをサポートしている企業についても、現地でのブランディングやマーケティングアクティビティー、特にアマゾンアメリカにおいてのこれらの活動は積極的な運用がまだ行われていなかったと認識しています。
(少し話がそれますが、日本から中国について言えば、中国には現地にTPと呼ばれる現地のマーケティングサポート企業が多数ありますので、現地でのマーケティングアクティビティーは彼等が主導で行っています。同時に、中国から日本のAmazon FBAへ納品するビジネスもここ5年でかなり盛んになってきていますが、中国の商品を日本で売るという点については、そのマーケティングサポート企業は中国にあることが多く、日本にあるAmazon FBAサポート企業にIOR(輸入代行)や倉庫代行は依頼したとしても、中国のメーカーが日本でのマーケティングサポートを日本の企業に依頼することは意外とレアなケースだと認識しています。日中間の越境ECにおいて、一番重要な部分は中国は全て自国で完結できているという点では、国全体での越境ECへの取り組みのレベルはかなり進んでいると言えるかと思います)
話は戻りますが、ここ1~2年ではアマゾンアメリカでも日本の商品のスポンサードプロダクト広告を展開されている商品が増えてきているという事象を見ると、いくつかのメーカーもしくは代理店がAmazon上での販促並びに広告展開を展開しており、アマゾン上でのPhase 2への移行が活発になってきたと認識しています。
そして最近当社へ問い合わせが多いのが、メーカーから「なぜかアマゾンやeBayで当社の商品が売られているが、戦略的にやっているわけではなく、またブランディングなどをしっかりとやりたいのでサポートして欲しい」「すでに輸出代行は依頼しているが、アマゾン上での販促やマーケティング活動については経験やがないので、経験値の高い人にサポートして欲しい」「社内にノウハウが残るようにレクチャーして欲しい」といったようなPhase 3がメインとなっており、更に「アマゾンだけではなく、それ以外のデジタルマーケティングもお願いしたい。」「オフライン展開もサポートして欲しい」というPhase 3.5~4の方々も少しづつ出てきている印象です。
当社の勝手な予想ですが、今後急激に日本メーカーからアメリカ現地でのマーケティング活動支援の需要喚起が起こり、現地にある日本人が経営しているマーケティング支援会社へのコンタクトが増えると思っております。しかしながら、同時に現地にあるマーケティング支援会社もAmazon上での販促活動並びに広告展開の手法については経験値の高い企業は少なく、更に、日本メーカーに特化したようなAmazonやeBay外部でのインフルエンサーやバイラルマーケティングなどのアクティビティーに強い企業(中国におけるTP)は少ないと思っております。
当社はまだまだ小さな企業ですので、お問合せいただいた件の全てをサポートしきれないことが多く、非常に心苦しいのではありますが、みなさまのご依頼やご要望に対応できるよう、組織作りを務めてまいりますので、もう少々お待ちください!