先週、当社が代理店を務めるHelium10を含め、アメリカにあるアマゾンでの売上拡大をサポートしているコンサルティング企業や、Adtech企業とのミーティング、並びにアメリカで行われたアマゾンセミナーの視聴を行ったので、少しそこからのnote。
流石にアマゾンのお膝元のアメリカ。総じて彼らのような3rd party企業の方々が非常にアマゾンのことを研究をされており、もしかしたら私よりもアマゾンのアルゴリズムや、考え方、売上拡大の方法を理解しているのかもなぁと感じました。
その中で、元アマゾン社員として「その通りだよな」と感じたポイントが2つあり、これらの点は日本のアマゾンで商品を販売している方々にとっても非常に参考になるため、是非読んでみてください。
(なお、まず前提として、アマゾンで商品をしっかりと売れるようにするには、該当キーワードの検索結果で上位7位に入ることは非常に重要。7位というのはもしかしたら最近のスポンサープロダクト広告などもあるので数字が変わっている可能性が高いですが、いずれにしろ最低でも1st pageにランクインされない商品は、ほぼそのキーワードで売上を上げることは困難という基本的な部分は今回は割愛してあります。。)
今回の非常に重要だと感じたポイントは
- Amazonのアルゴリズムに、自社の商品をスキャンし、正しくデータを読み取ってもらうために、どのようにマスターデータ(カタログ)を構築するべきか
- 各キーワードのランキングの上位7位にランクインさせる際の「各キーワード」の選定と、各キーワードに対するアマゾンの表示結果について
1. については、商品Title、検索キーワード、Bullet point、Product Descriptionといった部分は非常に重要で、ここに重要なキーワードを入れ、正しくindexさせることを常に意識しなければならない。特に商品Title と検索キーワードというのがその中でも最重要であるために、そこには最重要のキーワードを入れる。また、定期的にトレンドを確認し、TitleからProduct Descriptionの見直しをするというのが重要という基本的な話なのですが、この後の会話が日本のアマゾンでビジネスをしている方々とは大きく異なっていました。
当社にも日本のアマゾンで商品の拡販をしたいのだが相談に乗って欲しいという相談も来るのですが、彼らの話を聞くと、AというキーワードとBというキーワードの両方の検索結果に表示させたいために、AもBもタイトルに入れる。もちろんCもDもTitleに入れるといった発想。なんとなくそう考えてしまう気持ちもわからないですし、楽天はそのような考えに基づいてタイトルの付け方をしているので、100%否定はしませんが、これはユーザー目線でもアマゾンのガイドラインとしてもNGで、CTRもCVRも下げるリスクが大きいです。
一方、USの方々と話をすると、Titleにたくさんのキーワードを入れるといったような議論は最初からなく、アマゾンのアルゴリズムが正しく自分が提供した情報をスキャンし、正しくアウトプットができるようなタイトルをどう入れるべきかといった議論がされていました。
ここに見える、根本的な考え方の違いとして、日本の3rd Partyの方々は、とにかく無数のキーワードを入れることで、たくさんのインプレッションを稼ぎたい。そこで非常に安い価格と、多くのカスタマーレビューがあれば、仮にtitleが分かり難くてCTRが下がったとしても、母数が多いからGVになる数は多くために、CVRが一般的な数字であればある程度の売上が見込める。
一方USの3rd Partyは、Amazonのアルゴリズムとどう対話をするか。どのようなタイトルを付けてあげるとアマゾンが正しく情報を取得し、その後のマーケティングに活かし易いかというのを徹底的に考えている点。
日本の場合、アマゾンのアルゴリズムが間違えて商品の情報を受け取り、間違えたindexや、間違えた情報によってマーケティングをしてしまう可能性が非常に高いと感じています。
当社ではアマゾンのカタログをカタログとは呼ばず、常に「マスターデータ」と敢えて呼んでいます。正確なマスターデータを構築し、正しくアマゾンのアルゴリズムの上の乗せてあげることができれば、アマゾンは正しく情報を読み取り、正しくマーケティングをしてくれます。目先のテクニックや、ちょっとしたお得感のある方法ではなく、アマゾンのガイドラインをしっかりと読めば、アマゾンのアルゴリズムとの対話の仕方は記載されています。小手先のテクニックに時間を費やしている必要な全くありません。残念ながら、人間が考える小手先のテクニックや裏技よりも、アマゾンのアルゴリズムやAIは優れています。
2. 今回挿入させていただいた画像は、Amazon.comで「iPhone x case」と「case iPhone x」と、それぞれ検索をした結果のページ。これは不思議ですよね。全社の検索結果ではSpigenの商品が1位で、且つAmazon choiceも付いている。一方後者はSpigenは2位で、Amazon Choiceは付いていない。
たまに「Amazon Choiceはどうすれば付くのですが?」という質問も受けることがあります。確かにAmazon Choiceが付く商品というのにはある一定のルールはあります。しかしながら、このサンプルのように、そのルールに作用する項目に検索キーワードというものがあります。
つまり、Amazonというのは、内部のアルゴリズムは、キーワードというのを軸にして構築されていることが非常に多い、強い可能性があるということがわかるかと思います。
もちろん「この商品と一緒に購入されたのは、この商品」というのは過去のお客様の行動パターンやといった事実に基づいて表示されていますが。
しかしながら、今回のサンプルの検索結果、Amazon Choiceが付く商品、もしくはたまにある検索キーワードと全く関係のない商品が結果に表示されるといったものは、全てキーワードをベースにしたアルゴリズムがあるということが言えると思います。(これ以上の話はこの場で記載してしまうと問題があるのです、この記事ではここまでとしますが)
1、2に共通して言えることは、出品者は、出品者側の一方的な言いたいことを載せる、自分なりのテクニックで販売をするということではなく、アマゾンがどのような考え方に基づいてアルゴリズムを構築していて、どのアルゴリズムが働いているウィジェットに対して、出品者はどのようなデータとアクションをインプットをしてあげるべきなのかをしっかりと考えること。
また、マスターデータを通してどのようにAmazonのアルゴリズムと対話をしてあげるのか。更には正しく対話ができた後は、どのように広告展開をして、その対話を広げてあげるのかと言う点。
メーカーがアマゾンでちゃんとモノを売るって、そんなに簡単ではありません。たまに、「アマゾンを越境ECって簡単だよね」「アマゾンは何もしなくて良いよね。」と言う方がいます。ただ、正直それは、転売的な表面的な考え方の方だったり、アマゾンでモノを売るために何をして良いのかがわからない方だから、何もできない。 → 「何もやらなくて良い」と勘違いされている方なのかなと思われます。
再度ですが、アマゾンでしっかりと対話をし、マーケティングをし、fundamentalをbaseとした売上拡大(sustainable growth)を維持するには、それなりの深い知識と経験が必要であり、海外となるとそれは日本でのビジネスとは比較にならない難しさになります。
もし、アマゾンを使って、しっかりと海外で現地に根付いたビジネスを行いたい場合は、当社に是非お声がけください。絶対に成功するとは言いませんが、当社が正しいことを、正しく行える、国内では唯一のアマゾンを活用した越境ECのサポート企業だと自負しています。